会社の経歴と自己紹介をお願いします。
私の曾おじいさんが磐田の駅前で駄菓子屋を明治に始めたのが小松の始まりです。
その頃はせんべいを焼いたり、金太郎飴を売っていました。
パン屋を始めたのは父の代からで、昭和20年くらいです。
私は高校を卒業してから専門学校に行って、栄養士の資格を取ったり、
菓子の勉強をしました。
専門学校を卒業してしばらくすると実家のパン屋の仕事が忙しくなったので、
帰ってきて働くようになりました。
卸先のほとんどは学校給食と伺っていますが、一日の生産量はどのくらいですか?
一日の生産量は5,000~6,000個くらいです。それでも3時間くらいは生地を練っています。
学校給食は20校くらいですね。
学校給食以外にも高校や会社での販売と、この工場でも少し売っています。
販売は主にデニッシュをやっています。
学校給食では、どのようなパンを作られていますか?
学校給食はパンの生地に静岡特産の緑茶や抹茶、みかんパウダーを入れたり、
ゴマ、くるみ、黒糖、レーズン、チーズ、キャロット、パンプキン、ほうれんそう、さつまいもといろいろやります。
学校給食の栄養士から、生徒たちの栄養を考えてこういうのをやって欲しいという要望があるんです。
それからキャット型に変形したパンを作ったりもします。
学校給食の優良工場で表彰されていますね。
今の工場は去年7月からの稼動なんですがここでは1回、前の工場でも2回表彰されました。
県の体育保健課の給食関係の方が工場へ視察に来て、優良の表彰をいただくとモデル工場として認定されます。
工場内はとても見渡しがいいですね。
今の工場の機械の配置はすべて自分で考えました。前の工場より広いのですが、動線を考えた設計にしたので広さを感じません。
それに工場のどこにいても、すべて見渡せるんです。工場の手前にあるミキサをやっていて、
一番奥にある釜からパンが出るところが見えます。
それから通路を広くしました。ミキサ、分割機、プルーファ、モルダどこへもすぐに行けますよ。
パン作りでのこだわりを教えてください。
材料が良ければいいパンができるけど、それだけじゃダメなんですよね。
特に学校給食はいろいろな製粉会社の小麦粉がくるので、どんな材料でもいいパンを作るという気持ちでやっています。
おいしいパンを作るには、パンの生地をとにかく見て触って触って、引っぱったり。
そうやって見て触った感覚でいつも生地が同じ状態になるように調整しています。
マニュアル通りにやっても絶対うまくいきませんからね。
まずミキシングの段階で生地を1つにまとめるようにすると、その後の分割でもまとまりが違うし、
焼き上がりも変わってくるんですよ。
ベルトドライブプルーファ(PQB)について感想を聞かせてください。
ベルトドライブプルーファは動いているかどうか分からないくらい静かですね。
それから掃除が楽になりました。粉が溜まったりしないから汚れないし、それほど掃除をしなくてもいいくらいです。
以前の機械はチェーンの油と粉が混ざって汚れてしまったけど、今はそういうのがないですからね。
機械がスケルトンになって中が見えるので清潔感があるし、安心感もあります。
オシキリのミキサについてはいかがですか?
ミキサがいいので生地に空気が入っていきますね。
前のミキサと全然違って混ぜているだけのミキサじゃないという感じがします。
ミキシングでグルテンを出している感じです。
ちょっとくらい柔らかい生地でも粉を足さずにミキサでできてしまいます。
パンはまず生地、ミキサ。オシキリさんはそれに答えてくれています。
衛生面で気を使われていることはありますか?
まず機械を回す前に必ず掃除をします。作業後の点検も大事だけど、作業前の点検が一番大事ですからね。
オシキリさんの機械は作業点検が楽ですよ。分割機は後ろが開いて掃除がしやすくなりました。
点検した後にも5~6回は回してから作業に入ります。
最後に、今後の抱負を教えてください。
今は新しい工場になって、ここまでやってきたなっていうところです。だけど前進はしていきたいですね。 前進といっても突っ走るのではなく、一歩ずつやっていきたいです。 それにこれからも生地作りにはこだわって、いいパンを作りたいと思っています。