お店の経歴をお願いします。
創業は昭和4年で、最初は和菓子屋でした。今私が社長になって4代目になります。 パンを作り始めたのは戦後です。配給された小麦粉を預かってそれをパンにするのから始めました。 昭和30年から学校給食を始め、今はお店で販売するのと合わせると1日2万個から2万5千個くらい作っています。
人気の商品は何ですか? あんぱんは種類が多いですね。
うちで一番人気があるのはメロンパンです。 パンの柔らかさと表面のビスケットの程よい堅さが人気の理由だと思います。 創業が和菓子屋ということもあり、あんぱんはうちのメインの商品です。 うぐいす、こしあん、いも、大納言、白あん、つぶあんの6種類をやっています。 あんこは昔は小豆から作っていたようですが、今は自社で生あんを煮て作ったり、 あんこ屋さんに特別に頼んで練ってもらったものを使っています。
パン作りでのこだわりを教えてください。
なるべく引きの強い、歯応えのあるパンを作っています。 初代の社長から「生っぽいパンはダメ。しっかり火を通して歯応えのあるパンを作りなさい。」と教えられました。 水分を抑えて生地を固めに練るっていうのがうちのこだわりです。 お客様は食べ応えがあると言ってくれますね。
比較的お安いお値段で販売されているようですが?
私どもは、地元のお客様に支えられています。 創業からずっとお客様の買いやすい値段で販売しています。
常連さんの裏メニューがあるのが面白いのですね。
裏メニューというか、お客様がこうして欲しいとか、こうして食べると美味しいよっていう話の中から作ったものです。 例えばメロンパンを切ってその中にマーガリンを塗ったりとか。 そういう意味ではうちはこだわってないですから、お客様が望んだらできる範囲でそれに応えるようにしています。 それが裏メニューなんです。だから裏が表になるのもあるんですよ。 けっこう評判がいいからこれをお店で出そうかっていうのもありますし。 こういうのはお店に来たお客様と直接お話する中で生まれます。
お店以外での販売はありますか?
3月20日からテレビ静岡が主催で世界菓子博をやりました。 そこに売店を10日間ほど出させてもらいました。このイベントは盛況でたくさんのお客様がいらっしゃいました。
豊月堂オリジナルのエコバックがありますね。
環境への取り組みとして、食パンが入る大きなサイズのエコバックを作りました。 レジ袋を節約していただいたお客様にはサービス券をプレゼントしています。
ベルトドライブプルーファ(PQB)について、使われた感想を聞かせてください。
以前のプルーファと比べて今のプルーファはとても使いやすくなりました。まず掃除がしやすいです。 シースルだから中がどこからでも見えるっていうのもいいですね。 清潔感があるし、生地が見えるのは使っていて安心感があります。機械が動いている時の音も静かです。 プルーファでパン生地のストレスを開放する工程は大切です。 生地にストレスをかけたり休ませたり、そういう工程を踏んでしっかりしたパンができるんですよね。
ベルトドライブプルーファの他に使われている機械についてはいかがですか?
分割機も掃除がしやすいです。 生地室が開く構造なので、どこでも手が入って楽に掃除ができます。
衛生面で気を使われていることはありますか?
学校給食パンも製造しているので神経を使ってやらないといけないと思っています。 特に掃除には時間を割いています。
最後に、今後の抱負を教えてください。
私も80年続いてきた豊月堂の過程の中の一人ですから、次の世代に繋げていくことを考えています。 その為には私だけの考えを押し付けるのではなく、 社員皆がどういう風にしていきたいかを聞きながらやっていかないとだめですね。 後の世代を引き継ぐ人たちの意見も聞きながら、 豊月堂がこれからも歴史を重ねていく橋渡し役をしていきたいと思っています。